COMMENT

そしてまた週末の移動。 今回は空路で大阪入りし、そこからバスでなんばへ。徒歩で向かったのは法善寺横丁。待ちかねた『本湖月』さんへの訪問です。 最初に手渡されたお盆の上には、今年も仁清の香合写しの玄猪包の器が乗せられています。中に入っているのは亥の子餅の代わりに白髪伊勢海老と五色ナマス。炉開きの季節に合わせておめでたさと子孫繁栄、健康への気遣いが表現されています。 お凌ぎにはカラスミを挟んだ焼いたお餅。 今回もお椀は松葉カニのしんじょ。大ぶりな明治時代の秀衡碗にカニの全てをタップリと味わう事のできる柔らかく大きなしんじょがはいっている、本湖月さん良さが存分に発揮された感動のお椀です。 原価を計算したら….といつもの楽しい会話とともに、最高に幸せな気分にさせてくれる印象深い一品です。 お造りは明石の鯛と北海道の塩水ウニの昆布締め。 クエのアラを使った煮凝りは、今年は元号が令和に代わった事も合わせておめでたく楽家九代了入梅の器に載せられています。 魯山人の器にのせられた焼き物は和歌山のクエ。米酢をかけて焼くことで脂を落としながら旨みを足し、白髪ネギとともに刻んだネギとお酢に柚子胡椒を合わせたタレをつけていただきます。 八寸は紅葉狩りの趣向で、アユのウルカと山芋、ユズの中にキスのコブ締めとイクラ、銀杏、生のバチコを炙ったもの、ムカゴ、松茸を炊いた物、そしてとんぶりに海老。 続いて薄く切った鮑の酒煎りと舞茸。キモダレを最後までいただけるように酒饅頭が添えてあります。 炊き合わせは小カブラに梅肉。鯛のお頭の潮汁を使ったしみじみとした旨さが本当にたまりません。 ご飯オカズには炙ったカマスに胡麻ダレ。 煮えばなで熱々、香り高い白ご飯にのせた時の美味しさは格別です。 デザートには栗と粟のお汁粉。 お薄をいただき、カキ、洋梨、ザクロ、ヨーグルトアイスとサイダーのゼリーで終了。 古希をお迎えになった穴見さん。改めておめでとうございます。

本湖月

本湖月

本湖月

本湖月

本湖月