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1月の訪問から少し時間が経ちましたが、待ちわびた『片折』さんへの再訪の日がやってきました。
待合室に案内され、熱いおしぼりと玄米を煮出したもので気持ちを整えさせていただいてからカウンターに向かいます。
第一献は加賀の地酒、獅子の里でした。
最初のお料理は新玉ねぎを魚のアラの出汁で炊いたもの。シンプルこの上ないお料理ですが、片折さんの気持ちがよく表現されたお料理です。本質は変えずに、でも前回のお料理からは大きな進化を感じます。
わざわざ汲んでくる能登中島の名水を60度で4時間かけてとった昆布出汁に、枕崎で1本釣りされた鰹で作った鰹節を削ったものと合わせて目の前でお出汁を仕上げます。
そのお出汁をつかったコブダイとアワビのお椀。素晴らしく美味しいけど主張しすぎない、絶妙な塩梅です。
続いて3日寝かせたトラフグのメスの身と皮に白子を裏ごししたものをかけ、芽ネギとポン酢で仕上げたもの。
見事な能登石崎産赤貝は、クズでトロミをつけた煮切りで味を調えています。
刺し網漁で獲れた抜群に美味しい氷見産ノドグロを焼いたものの下には能登の春キャベツ。これは驚きの組み合わせでした。
セリにかかる直前、一瞬の間に選りすぐって仕入れてきたトリ貝は、サイズはもちろん目の前に盛られたお盆から逃げ出す程元気いっぱい。これを高温の備長炭を使って目の前で焼きあげてくださいます。不漁だなんて信じられない、物凄くレベルの高い美味しさです。安原産の立派なアスパラガスの胡麻和えがまた良いアクセントになっていました。
この日の朝4時半から富山新湊に出かけて仕入れて下さった、生きホタルイカ。
これをお出汁でぷっくりとするまでしっかり炊いて氷見の菜の花と一緒にいただいたのですが、今まで食べていたホタルイカとは全く別次元の素晴らしさでした。
続いて出されたのがフグのから揚げ。フグのから揚げ史上ダントツに旨かった!。
旨味抜群のヒレ酒との相性の良さは、言うまでもありません。
七尾産イワシのつみれに能登島の天然アサツキ。これがまたイワシとは信じられない透明感の高いお料理。天然アサツキの香りが後をひきます。
最後は、能登島七尾のマスに、能登島産セリの餡かけ。
〆は白いご飯にナメコの味噌汁、おかわりが卵カツオご飯、フライパンで焼いたクチコご飯、そして梅干し茶漬けと続き、すっかり満腹。
デザートに、できれば10個ほど食べたかった!七尾崎浦のイチゴと大納言を使った苺大福。
見事なお点前のお抹茶で終了。
たった3人で営業されているのですから、苦労も多いことでしょうし、安定したサービスを提供するのはさぞかし大変なことと思います。
今回は随分無理を言ってしまったのですが、それにきっちり答えてくださり、感動の食事となりました。
次回の訪問がさらに楽しみです。

片折

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