食べログはもちろん、ミシュランでもOADでも、その評価の高さについては言うまでもありませんが、
個人的にも京都で一番気になる和食屋さんが、こちら『緒方』さん。
規定概念にとらわれずにチャレンジする姿勢と、常に引き算での美味しさを実現されているところにいつも感動させられます。
この時期和食屋さんには欠かせない松茸ですが、今年は天候不順で大不作。今回の訪問はいったいどうなるのだろうかと案じていたのですが、そんなことは一切関係なく、物凄いパワーで最初から最後まで圧倒されました。
なにせ、最初の品が松茸の天ぷら。包まれていた紙を広げてそのまま手で持ってかぶりつく和歌山県産の松茸は、ジューシーで熱々。カブっと豪快にかじれば味と香りが口の中で爆発します。
続いて栗と菊花のお椀。鰹節の効いた出汁に一面黄色く菊花が漂い、中心には立派な小布施 の弁慶栗。見た目の美しさと味わいのバランスが素晴らしく、栗好きの私にはたまらない品でした。
想像を超える強烈なスタートで、2品食べただけですが参加者全員すでに覚醒状態。
お造りはタイとシマアジから。それぞれアラメ塩とお醤油でいただきます。
続いてたまらない旨さの迷いカツオをたっぷりのネギと辛子醤油で。
そしてまた松茸を和歌山県産の立派なタチウオと合わせて。
その後に続くのが、島根県産スッポンの上品なスープにとろみをつけて、京都産の玉ネギといただく滋味あふれる品。何気ない素材を美味しくいただける事に感謝の気持ちでいっぱいになります。
〆はまず、炊き立てのご飯にその場で刻んんだ松茸を混ぜて仕上げる松茸ご飯。ご飯の美味しさと松茸の良さがちょうどいい塩梅で引き出され、おかわりせずにはいられません。
湯煎して絶妙な状態にしたイクラご飯は異次元の旨さ。
きりっとしまった手打ちそば。
ギンナンの美味しさがストレートに出るお菓子で終了。
本当に素晴らしい夜でした。