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まだまだ蒸し暑くねっとりと体にまとわりつく様な道頓堀界隈の空気から逃れて『本湖月』さんの店内に入り、ジャバラ水を飲んで一息つけば、そこには涼しげなお月見の世界が広がります。
お月見を表現したお盆の上には歴史上の世界を思い起こさせる琵琶の形をした深草焼の器。そこにのっているのは大徳寺麩とズイキ、だだちゃ豆に淡路のウニを重ねたものでした。
高津川の鮎を一夜干しした鮎寿司。
お椀には、貴重なイワタケと月に見立てたハモのすり身を使った卵豆腐、そしてスッポンのお出汁で月とスッポンの完成!
本物の日月椀をさらっと使うのですから、このくらいの遊び心は当たり前です。
キモをそえたカレイが盛られるのは14代楽松島の器。
辛味大根とネギでいただく炙ったサゴシ。
八寸は銀杏、鯖のヘシコが入ったキヌカツギ、ミョウガ、酒盗であえたワタリガニ、湯葉の味噌漬け。
いつも切っている姿を見ているだけでも惚れ惚れとする美しいハモは、霜降りにして梅肉で。
アワビとモズクのしゃぶしゃぶには肝タレとチリ酢。
お口直しに胡麻豆腐。
ひろうすの中からは岩手の松茸が出てきました。
小粒なイクラと一緒に食べるとご飯が止まらなくなります。
いつものようにキントンにお薄、水菓子で終了。
まるでお芝居を見終わった後の様な気持ちで、また猥雑なナンバの道を歩いて帰りました。

本湖月

本湖月